ご贔屓さんのこと2

私が応援していた二人目のご贔屓さんのこと。
応援『していた』。過去形。昨年退団されました。
出演作品のパンフのキャスト一覧のプロフィール見た感じだと20代半ば?で在団歴的に若手の方でした。上背があって細すぎず、優しい笑顔がとても素敵なひとでした。
名前と、お顔と、声と、ダンス。それしか知らないけど、それで十分でした。本当に何も知らないままだったけれど。誕生日すら存じ上げません。*1


きっかけは、一人目のご贔屓さんと同じ(また)地方公演での一目惚れでした。オープニングに当たるナンバーで最初に出てきた瞬間。
「初見だしご贔屓いないしフラットに見れるぞ!ちょうど全体が見える距離だし楽しみ!」
とか言ってたのに初っ端で定点カメラ始めてしまったのにはちょっと笑った。
この方はアンサンブルで出演されてました。ぶっちゃけアンサンブルの方々のお名前が分からないレベルのオタだったのに落ちたのはまさかの(失礼)サンボさん。本人が一番びっくりしたわ。


そこから一人目のご贔屓に落ちた時と同じように、千秋楽まで毎週のように通ったわけですが(笑)
千秋楽までただただ見に行ってただけでしたが、千秋楽にしてようやくお手紙を出しました。
地方公演といえど数ヶ月の公演期間を無事完投されたことのお祝いと、作品の素晴らしさと、貴方のファンになったこと、元気をもらったということ、とかとか書いて、封筒ひとつをクロークに預けました。


それから一年、公演地を変えながらも彼は同じ作品の同じアンサンブルとして出演を続け、私の地元でやったのを含めて三公演地も完投しました。
私はというと、その後一度しか遠征をせず(というか出来ず)、毎週キャスト一覧のページを見ては今週も怪我なく終わりますように…とだけ念を送っていた…。
四公演地めの初日。ようやく通いやすいところに戻ってきたので、また出来るだけ通うつもりでいました。

が、翌月。彼はキャスト一覧から消えた。ここで一番最初に思ったのは「ようやくお休みが…!!よかった…!」ということ。*2

そして翌月。4季HPのブログの、今まで出ていた作品とは別作品のお稽古記事に出現。この時はそれはもうびっくりした。だってアンサンブルだった彼がいきなり名前のある役にいたのがまず一番に驚いたし、以前まで出ていた作品のお稽古記事は大抵見切れてたり後ろ姿だったり、判別がめちゃくちゃ大変だったのに、めちゃくちゃハッキリと姿が写ってるしなんなら彼のやる役のメインであるシーンが一枚ドーンと載っている!
めちゃくちゃ嬉しかった。出演作品が二本しかなく両方アンサンブル出演だった彼が、ファミミュ(ファミリーミュージカル)といえど名前のある役をもらって、というか名前どころか台詞もあるじゃんね!? 掛け声でもなくガヤでもなく一言以上喋る彼の声を聞いたことなかったけど!? すごい!大抜擢だ!!と本気で喜んでいた。


その後、そのファミミュが開幕を迎えて、首都圏公演を終え、地方の巡演を始めました。私はキャス変*3に振り回されながらなんとか遠征をして、可能なとこは土日にマチソワ*4で見にいきました。
首都圏公演の千秋楽と(開幕は別の方が登板だった)、地方のステイ公演の開幕日にそれぞれお手紙を書いて。ステイ公演後はどこで登板かな~と呑気なことを考えてたりしていました。


地方ステイ公演が終了し翌月。
今年いっぱいで退団しますとの便り。秋の終わり、すでに冬の気配近づく頃です。
「読めるのになんて書いてあるかわからない」という状況を始めて味わいました。
自分では、一人目のご贔屓を最優先で追っかけていたと思っていたのに、同じくらいの比重になっていたんだなと初めて気づいたのでした。
で、そこから、めちゃくちゃに悩んで、年末に郵送でお手紙を送る。
見に行けるときに見に行ってたのに、「もっと見ておけば良かった」と思った。そして、もっとたくさんありがとうとか、元気が出たとか、舞台上に立つ貴方が励みになりましたとか、そういうことを伝えておけばよかったなぁ………と後悔しながら。


結局、私が二人目のご贔屓さんを最後に見たのも、そして彼の最後の登板も、ファミミュの地方ステイ公演でした。
退団後、現在なにをしてらっしゃるのか、それも知らぬまま。冒頭では過去形としていましたが、いつか帰ってきてくれるだろうかとほんの少しの希望を抱きつつ、『二人目のご贔屓さん』のファンを続けております。



おわり。

*1:ググって年齢や誕生日や経歴がわかる役者さんもいますが、彼は情報がほとんど出てこなかった

*2:公演地と公演地の間も二~三ヶ月開いたりするけど、おそらくブラッシュアップのお稽古とかであまり休めるって感じでもないんだろうな~と思っていたので

*3:週明けに発表される登板予定キャスト一覧の更新

*4:ファミミュは上演時間が短いので日曜も二回公演だったりする